はてブ上でのの練習と授業の復習を兼ねて.
定義1(強連結). を有効グラフとする. 任意のについて, をそれぞれ始点, 終点とする有向道が存在するとき, は強連結であるという.
定義2(既約行列). とする. グラフであって, の成分が非零であるときに限りからへと向かう辺をもつようなものを考えたとき, が強連結となるならば, は既約行列であるという.
定理1. を既約非負行列とする. このとき, は正行列となる.
証明. 任意の零でない非負ベクトルについて, であることを示せば十分である. としても一般性を失わない. また, は非負行列であるから, を非負行列として
とかける. として, とおくと
となる. これより, である. また, の既約性より, であり(とすると, からへの有向道が存在しないことになり, 既約性に反する), これとより, である. ゆえに, はより正の成分の個数が少ない. は零でない非負ベクトルであったから, となる.
証明. 非負ベクトルについて, とおくと
となる. とすると, についてより
となる. ここで, , の成分をとすれば
となる. ただし, 上式の不等号はの既約性より成り立つ. ゆえに, が成り立つ. また, 上の点列であって, となるようなものがとれるが, は有界閉集合であるから, 点列コンパクトであり, 収束部分列がとれて, はの元となる.